アメリカのPASTE MAGAZINEというウェブマガジンの記事の一部を訳しました。
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日本の音楽は、西洋の聴衆によって「奇妙な」ものと思われがちだ。日本と言ったときに、通常、まず最初に思い浮かぶのは、異様なファッションセンスの人々が演奏する甘ったるい芝居がかったロックだろう。が、70年の初めには、日本は、象徴的な西洋のロックと前衛の影響を受けた偉大な音楽を産み出していた。60年代後半から70年代初頭にかけて、日本は、独自の音楽的ルネッサンスに見舞われ、洪水を起こしたかのようにロックが生み出された。遠く離れたところの音楽シーンで産み出されたいくつかの優れたレコードを紹介しよう。このアルバムリストは、プログレッシブロックからサイケデリックロック、ポストロック、メタル、、、と、幅広いジャンルにわたる。すべてのロックファンにとっての何かがあるはずだ。
1.フラワートラベリングバンド、「サトリ」
フラワートラベリングバンドは、ロックの歴史のなかで最もきちんと評価されていないバンドの一つで、日本のミュージシャンでありエンターテイナーの内田裕也がプロデュースしたものだ。60年代半ばに、英国の友人ジョン・レノンを訪れ帰国したときに、彼は、クリームやジミ・ヘンドリックスのようなヘビーなサイケデリックサウンドを持ち帰った。(※内田裕也とジョン・レノンの出会いはもっと後。正確には、ヨーロッパを放浪した後に持ち帰った)1971年にリリースされたサトリは、バンドの最初のオリジナルスタジオアルバムであり、重厚で不気味なリフを聞くと、Black SabbathやDeep Purpleのようなへヴィ―メタルの創始者によって録音されたのじゃないかとさえ思われる。しかし、ロックの殿堂内側で肩を並べることができる実力を持ちながら、このバンドは商業的に成功することはなく、解散してしまった。今日、サトリは、時代を通して、ヘビーサイケアルバムの最も優れたアルバムとして評価されている。つまり、やっと認められたのだ。